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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第8章 アーナル

どう見てもトンネル内にはいない。光邦は前方を指差して、「行きましょう。さっさと渡りましょ」と歩きはじめる。

「まだ動くなっ!」

アーナルは剣を上に構え、光邦を真横に押しのけ、何もない空間に剣を下ろした。

剣を振り下ろしたあと、空間に歪みが見える。

「あっ、もしかして!」

チョットが声を上げる。

「そうだ、チョットならわかるだろ」

「インビジブルキューブ、無色透明の硬いゼラチン質で上下にある四隅の小さな個体が足で、洞窟の大きさに体をあわせて、移動し、気付かず向かってきた獲物を包み込んで溶かして食べる。形は違いますが、ブラックメーバと同じ仲間です」

「忘れたわ。ジャンルがSFファンタジーだってことを。ダンジョン内にいるモンスターみたいなものね」

チョットは頭をひねる。

「何を言ってるかわかりません」

「悪かったわね」

「二人とも喋ってないで、どんどん切れ!」アーナルの声が飛んだ。

慌てて、光邦も切りまくる。

「なにこれ、ナタデココみたいね」

「なんだそれは?」とアーナル。

「いちいち質問しないで! あんたが地球に来たころには、すでに失われつつあったものよ!」

「タピオカなら知ってる」

「うん、それも近いわ」


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