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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第8章 アーナル

ある程度、細かく切り刻んだところで、アーナルがズバッと剣を振り下ろす。

真っ二つに分断されたインビジブルキューブは、ブヨブヨとうごめきながら、散らばった組織片を吸収しはじめた。

「この生物は、ぶった切ったくらいでは死にません。火で焼かないことには死なないんです」とチョットは言う。

「さすが生物博士ね。て、ことは減らないの?」

「敵はいませんからね。ですが、寿命が短いので、それほど多く増えることはございません」

「ふ~ん、上手く出来てるわね」と光邦は、剣を鞘におさめる。

アーナルは二人に、完全再生するまでに早く出るぞと促す。

地下トンネルを抜けると、目の前には森が広がる。

「これから、次の国に行くの?」と光邦。

「あぁ、後は、ナナミーだな。そこの勇者を仕留めて、ターキーを世界……いや、惑星ターキーとする。そして、チョットを大臣にする」

そう言うと、アーナルは笑みを浮かべ、チョットに目を移す。

チョットは、はにかみながら、

「いえ、私はアーナル様についていきます。大臣の座につくのは、アーナル様、あなたですよ」

「私はそんな器じゃない。大臣になるのは荷が重い」

「じゃあ、私がやるわよ」と光邦が手を上げた。

チョットとアーナルは二人して、「どうぞどうぞ」

「そのノリ、合ってるようで間違ってるわよ」

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