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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第9章 ナナミー国

「誰に名付けてもらったんだ?」

「確かねぇ……あ……」

光邦はハッとある人物の顔を思い出した。

「ハゲの地球儀」

「誰のことだ?」とアーナルは首を傾げる。

「いま言ったって、覚えてる人なんていないわよ。チョットは覚えてる?」

「ハゲの地球儀なんて人は知りません」

「あなたが地球にきて、私がいる店に訪ねた時、あんたみたいなハゲがいたでしょ」

「……いましたっけ?」

「6ページ辺りに、わずかなセリフだけ残したやつがいるわよ。あいつの源氏名、確か笛羅千代」

「その名前は、もう出さない方がいいかと思いますよ」

「あいつ、なにか知ってるかも知れないわね。ねぇ、地球に戻る?」

「まだ、戻れませんよ。とにかく、先にナナミーに向かいましょう。アーナル様の名前との共通点を探すのは後です」

「しょうがないわね。なら、つき合うわよ」

三人は歩き出した。

危険生物との遭遇もなんとか切り抜け、森をさまよい歩き、山のふもとまでたどり着く。

山は険しく、針のように尖った岩が三人を苦しめる。

「イタタタタ、なんなのよここ。地獄の針の山ってここじゃない?」

「旅に傷はつきものだ。我慢しろ」

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