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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第9章 ナナミー国

チョットは小屋を指差した。

「あ、ウラユさんがいた小屋ですよ! 玄関の向きは変わってますが、間違いないです」

それを聞いて、光邦は胸をなで下ろす。

「よかったぁ~。鍵開いてるかしら? 開いてたら一晩休憩させてもらいましょうよ」

「しかし、この前みたいにナナミーの兵士が来るんじゃないですか?」

「大丈夫よ。本物の勇者さんがここにいるんだもの」と光邦は、アーナルの肩を叩く。

アーナルは身をかえし、

「おい! 気安く触るんじゃない!」

「なに言ってんのさぁ、私達はもう姉妹じゃないの」

「私はお前を妹にした覚えはない!」

「そうね、年齢からしたらあなたの方が上ね。アーナル姉様、とりあえず小屋に向かいましょう」

「く……調子の狂うやつだ」

空を見れば、やや薄暗くなりつつある。ナナミーの領域に足を踏み入れたのなら、生物の多いナナミーの森での野宿は危険かもしれない。内側で施錠が可能ならここで身を潜めている方がまだ安全か。

小屋に近づいてみる。

窓を見ると、灯りがついているのが見える。

「あら、誰かいるわね」と光邦。

「兵士かもしれませんよ」チョットは恐る恐る、光邦の後ろにつく。

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