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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第9章 ナナミー国

「ウラユちゃん、また戻ってきたの?」

「はい、しばらくナナミーでコメディーショーに出させていただくことになりまして、相方のゲンブと来てます」

ウラユは芸人であり、以前、森林の中で野草を摘んでる最中に罠の落とし穴に落ちたところを、光邦に助けられた。

「どうぞどうぞ、入って下さい」

ウラユは、扉を大きく開け、三人を招き入れる。

アーナルは光邦の肘をつつく。

「なぁ、光邦。あの子、私達を見てなにも反応しなかったけど」

「少々のことじゃ、驚かないわよ。いろんなところを旅してるみたいだから」

「逆にこっちが戸惑うな……」

テーブルに案内されると、丸坊主の男が湯気の漂う飲み物を運んできた。

「あ、どうぞ……」

「ありがとう、いただきます」と光邦が言うと、男は、「あなた地球人? よかったぁ、言葉が通じる人、他にもいた」と胸をなで下ろした。

そこにウラユが入ってくる。

「こちら、うちの相方のゲンブです」

「相方?」と光邦。

聞けば、ウラユは、ゲンブという男と漫才師としてコンビを組んでいるらしい。

「ウラユちゃん、漫才師なのね。また男連れ込んでなにしてんだろって思ったわよ」

それを聞いてゲンブが、「いやいや、あくまで相方ですから。それに、こんな場所に連れてこられて困惑してるんですよ。この星の言葉でネタをしなきゃならないみたいで……」と弱り切った表情を浮かべた。

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