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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第9章 ナナミー国

その男性は白いフード付きのパーカーを着用し、頭にはフードをすっぽりと被せていた。

その姿を見て、声を上げたのは光邦だった。

「え、千代っ!?」

男は驚いて、「アーナル壺菊!?」

するとアーナルが、「デンブ!」と指をさす。

男は、「アーナル!」と声を出す。

チョットは隙間から覗き込む。

「あ、あなたは!」

男はチョットに目を移し、「見たことある、誰だっけ?」

光邦はウラユを押し退け、「千代、会いたかったわよぉーっ!」と抱きついた。

突然の光邦を行動に、男は狼狽える。

「うわ、待てっ! なんで、お前がいるんだよ!」

「それはこっちのセリフよ! あんた、ステージはどうしたのよ。急にいなくなって、みんな焦ってるわよ!」

「それこそこっちのセリフだ! あんたが先にいなくなって、ショーが台無しだったよ! 警察も呼んだし、いま行方不明になったオカマを二人、血まなこになって捜してるぞ。まさか、こんなとこにいるとは…… 」

男の後ろにいた兵士が、一斉にヤリを光邦に向ける。

「待て、お前たち、少し下がれ」と男は兵士を後ろに下がらせる。

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