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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第9章 ナナミー国

デンブは背中にある、三つ叉のヤリをはずし、床に置いた。

「しばらくは、我がナナミーで俺が主催する楽しい演芸ショーを行わなければならない。目の前にターキーの勇者はいるが、停戦としよう。武器は床に置いておく。アーナル、お前がやるのなら今がチャンスだ。どうする?」

デンブは両腕を上げた。

そのデンブの頭を、わざわざフードをめくって平手うちをしたのは光邦だった。

小屋中にバチーンという音が響く。

「イッテェーーッ! なにするんだお前!」

「なにするんだじゃねぇわよ! いま、勇者がどうとか関係ないでしょうが! 私にも説明しなさいよ。あんたとアーナルちゃんがどんな関係なのか、なんで地球にきてゲイになったのか、全部言え!」

「ゲイになったことは関係ないだろ! てか、俺はゲイでもなんでもない!」

それを聞いたアーナルは目を見開いた。

「デンブ……お前、芸人になったのか? それに、その頭はなんだ」

と、デンブの頭に描かれた世界地図を静かに指差した。

デンブは自身の頭を撫で、「これは、地球に来る時、宇宙船から見た地球が美しくて、心に来たから体にその景色を刻み込みたかったんだ」

「あなた、トップが北極点よ」

「ほっとけ!」

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