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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第2章 サバイバル

だが手渡されたウンコと一緒に、なにやら木の実のようなものもあった。

「なにかしらこれ?」

表面の皮がザラザラとしていて、ピンポン玉より一廻り小さい。

爪で皮を剥ぐと、汁気のような液体が指につき、固いナッツみたいなものが手の平に転がった。

暗闇の中、光邦は躊躇なくそれを口に入れた。

コリコリとした歯応えの中に、ゼリー状のジュワッとしたものが溢れ、ヨーグルトのような酸味と薄い塩味が舌を愉しませる。

「あら、これいいわね。もっと落ちてない?」

『探してるんですが、それ一つみたいです。日が上がればよくわかると思います』

「明かりかなんかないの?」

『小さなライトはあるのですが、今使うと危険です』

「なんで?」

『試してみましょう』

チョットは、なにやらペンライトのようなものをつけた。

光の線が伸び、照らしたのは、木の上のカエル「キュージコージ」だった。

その瞬間、巨大な昆虫が鎌のようなくちばしで、カエルの背中に噛み付いた。カエルは、

『ギィャーーーーーッ!!』

とかん高い鳴き声を上げた。

光邦はその声を聞いて、「いいゃぁぁーーーっ!!」と叫ぶ。

『アーナル様、お静かに!』

「逃げましょう逃げましょう、危険過ぎるわよ。てか、なにあの声、カエル?」

『キュージコージは、自分が襲われるとかん高い声を出して、周りにいる仲間に敵がいることを知らせます』

「いや、あの声、ホラー映画で惨殺された遺体を見た女が、その殺人鬼に出会した時みたいな悲鳴じゃない。こんな闇で聞いたら、まるでブレアウィッチプロジェクトよ」

『よくわかりません』

「でしょうね」

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