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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第10章 ターキー国王

光邦は顔を強張らせ、「え、あいつ餌になるの?」と言って口をおさえる。

「はい、姿は我々と似てますが、野生動物ですので、自然界ではよくあることです」

「てか、あの金の液体はなによ」

「あの金色は、あいつの糞で銀はおしっこです。つまりこっちが投げた物をあの糞につけて……」

光邦は金の剣を放り投げた。


ジャングルのような森を抜け、一日かけての旅の末、ようやくターキー国にたどり着いた。

国中は、どことなくざわついていた。
そしてアーナルの姿を見ると、一斉に歓喜の声が上がる。

「さぁ、ターキー国王に会いに行きましょ」となぜか光邦が先頭を歩く。

アーナルもチョットも不安げに、ついて歩く。

チョットは落ち着かないのか、何度も咳をする。

「光邦、本当に大丈夫なんですか?」

「心配することないわよ。なんにも怖くないわ」

「しかし……」

「大丈夫よ。任せなさい」

何を考えているのだろう?

ここにきて、チョットは地球人である光邦の考えや発想に、一目置くようにはなっていたが、やや不安が残る。

なぜなら、突拍子もないことを光邦が実行したからである。

それは、チョットやアーナルでは思いつかないことであった。

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