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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第10章 ターキー国王

「国王、この戦争、なんのために戦わなくてはならなかったのですか? 私は、国の存続のためだとしか聞いておりませんが」

「国を一つにし、統一させるためだ」

「話し合いで、なんとかならなかったんですか?」

「他の国の国王は頭の固いやつばかりだ。自己主張が激しい。力で制圧するしかなかったのだ。そのために、代表勇者を出したというわけだ」

「あら、果たしてそれが本当なのかしら?」と言ったのは光邦だった。

「光邦! やめとけ」アーナルが止める。

 だが、光邦はニヤリと笑みを浮かべ、堂々とカーテンの前に近寄る。

「あら、あなた攻撃はしてこないの? 私はここまで近付いてるのよ。以前のような空気の矢は飛んでこないの?」

チョットは、後ろで目を丸くする。

「な、なにが起きてるんですか?」

光邦はフフンと笑う。

「国王さん、私の想像が正しければ……あなた、ここの住人ではないわね」

アーナルは慌てて光邦の腕を引く。

「光邦、つつしめ!」

「あなた達も早く目を覚ましなさい。こんなのに振り回されちゃ駄目よ」

そう言って、光邦はカーテンを引き下ろした。

大きなソファーのような椅子の向こうに、青いブヨブヨとした物体が見えた。

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