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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第10章 ターキー国王

デンブの目がカッと見開く。

「そうか、そういうことか」

「地球で過ごした日が長かったから、あんたもわかったのね。さぁ、どうする? 無くなるのは、国王と国名だけよ。あんたとアーナルちゃんは死ななくていいの。あとは、あなた達で相談して」

デンブは、アーナルにどうするかをたずねるが、アーナルはまだピンときていない。

それを察したのか、光邦はふふんと鼻を鳴らす。

「このブレスレットを巻いた虫はいま、ナナミーを背負う勇者となったのよ」

「はぁ? どういうことかわかんないんだけど」

「じゃあ、試しにやってみるわ。チヨ改め、デンブ。この虫、殺せる?」とブレスレットを巻いた甲虫を、光邦は差し出す。

「ややこしい言い方するな。お前が言いたいのは、この虫を殺したら、国王は死ぬということか?」

「なんですって!?」

そう声を上げたのは、アーナルだ。

「おそらく、そうだと思うの。あんた達、地球に来た時、地球人の頭の良さに驚いたんじゃない? だから、地球にいていろんなことを学ぼうとしたんでしょ。違うのよ、この星にいる者は、考え方が地球人よりも遥かに劣るのよ。だから、私みたいなオカマが、トリセンナシで一目置かれたのよ」

「オカマという自覚はあるんだな」


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