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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第10章 ターキー国王

土を固めただけで舗装された田舎道を、十分ほど歩くと、ブロックを積み重ねただけの、三階建ての建物が見えてきた。

デンブと光邦は二人並んで、建物を見つめる。

「話の展開上、あれっぽいわね」

「残念、あれの裏にある」

「ややこしいわね」

その建物の裏に、二階建ての木造建築があった。

「わかった。ここの二階にいるのね」

「残念、地下にいらっしゃる」

「もう、いたらそれでいいわよ」

木製の扉を開くと、一人の若い女性が現れた。

「いらっしゃいませ。私、召し使いの大神音子と申します」

「もういいわよ。この作者の悪い癖が出てるのよ。キャラ考えるのが面倒だからって、自身の作品のキャラを使い回すのよ。誰にもウケてないのに、滝繁なんて、何回引っ張り出されていることか……」

「あの、なにか御用でしょうか?」

「国王のお部屋に案内してほしいのよ」

「それでしたら、奥の階段から下へ……」と召し使いの大神が言い終らないうちに、スタスタと歩いていった。

ギシギシときしむ音がする階段をおり、奥にある部屋を光邦が指差す。

「あそこね」

「あそこは、召し使いの部屋だ。国王は、後ろの部屋だ」

「なによ、ここの国。私のこと嫌いなわけ?」

「まあ、歓迎はしてないだろうな」

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