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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第10章 ターキー国王

「ふむ、こんな国同士の争いの中、わざわざ来ていただいて、恐縮ですな。そちらも、コメディショーでパフェマックに来られたかな?」

「それは、パフォーマンスと言いたいのかしら? 残念、私はただ、誤って連れてこられただけなのよ」

「誤ってとは?」

「まあ、どうでもいいわ。私は地球人で、この星とは無関係だから。でも、地球で、日本ではどんな偉い方でも、姿を現せて挨拶するものよ。こちらでは、そんな風習はないのかしら」

光邦の態度にデンブが、「いい加減にしろ!」と声を荒らげる。

「いいのよ、あ、これ、アーナルちゃんにあげる」と、光邦はブレスレットを巻いた甲虫をアーナルに向かって投げた。

アーナルは「わ、やめろ!」と咄嗟に、剣を抜いて、投げつけられた甲虫目掛けて振り下ろした。

甲虫は、スパッと真っ二つに分断された。

すると……

「ぐぉぉ……」

屏風の向こう側からうめき声が聞こえた。

光邦は、戸惑いのに表情を見せるも、やっぱり……と薄ら笑いもみせた。

そして、眼の前にある屏風を足で蹴り倒した。

「何やってんだ!」とデンブは、光邦の腕を引くが、光邦は、

「あそこを見なさいよ!」と正面を指差した。

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