テキストサイズ

え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第10章 ターキー国王

「決まりね。だったら、ターキーに向かうしかないわね。それでチャッチャと終わらせて、私を地球に戻してちょうだい」



そして、いま、ターキーの国王の前に立つ光邦。

デンブは、その姿を見て息を飲む。そして、ある結論を頭に描いた。

「なるほど……あの本に書いていたことが確かなら、国王……あなたは何千万年前に勇者と名乗る者に切り刻まれ、復活出来ぬように、この星の各地域にバラ撒かれた。だが、その勇者が亡くなると、その魂を吸収し、散らばった肉片の一部が別の塊と一つになることを知った。ここからは、俺の推測だが、その後、自分が国王となり、勇者として選んだ者を争わせ、息絶えた者の魂を吸い寄せ吸収し、少しずつ身を固めた。このブレスレットを使ってな」

それを聞いたアーナルもブレスレットをはずした。

「そう言えば、なぜこのブレスレットで、私達勇者の生死が読めるの?」

その質問に答えたのは、光邦だった。

「おそらく読むとか読めないとかは、わかんないんじゃない? これを付けたものが死んだら、その魂を吸って別の国王の一部が消滅して、もう一方の肉片にいくのよ。他のコトわかんないけど、そんな感じじゃない?」

すると、ブヨブヨとした塊が、少しずつ形を変えていった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ