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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第2章 サバイバル

カエルの叫び声と、チョットのいびきでなかなか寝付けなかったが、いつの間にか、光邦も夢の世界に入り込んだ。

そして、朝を迎えた。

太陽の光が、木漏れ日とかいう生やさしいものではなく、破壊力を増した熱光線化して、光邦の頬を焼いた。

「アチアチアチアチっ!! なになにっ!?」

目を覚ました光邦はすぐに日の当たらない木陰に入る。

「なにいまの? てか、ここは……て、そっか……私誘拐されたんだ」一瞬、現状が把握できなかったが、すぐに、我を取り戻した。

「そうだ、チョットは?」

先ほどの寝床に向かうと、チョットの姿無かった。

「あれ? どこいったのかしら? 待ってよ、やだよこんなところに一人になるの……」

そうつぶやきながら、今しがた寝ていた場所を見る。

起きた時は気が付かなかったが、自分が寝ていたすぐ横の、敷き詰められた落ち葉が真っ赤に染まっている。

「……え?」

そこは、チョットが眠っていた場所だ。しかも、チョットが着ていたミノの繊維がわずかながら、付着していた。

光邦は、ゾッとした。

「まさか……あいつ寝ている間に、猛獣に襲われた?」

あれだけの大きないびきで、自分の存在を示していたのだ。

猛獣に見付かって、襲われたとしても不思議ではない。


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