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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第2章 サバイバル

光邦はオロオロしながら、辺りを見てまわる。

「ねぇ、チョット。どこ行ったのよ……ちょっとチョットちょっとぉーー」

なにが出てくるのかわからない、謎の惑星のジャングルで、光邦は押し寄せてくる不安と戦っていた。

チョットは、なにかに食べられたのかもしれない。

そんな思いが、恐怖と寂しさを生む。

「どうしよう……」

八方塞がりの状況に動く気力も失い、近くにある太い木に、手を添えた。

突然、ぶにょっとした感触が、手に伝わる。

「ひっ!」

驚いて、手を引っ込める。よくよく木を見ると、その木にある違和感の正体がわかった。

「……カエル?」

光邦が触った木には、キュージコージと呼ばれる、巨大なカエル風の生物が、ぺったりと貼り付くようにしがみ付いていた。

しかも、敵に気付かれないように、木の色に擬態している。

「あら、こんなとこにいたのね」と光邦は恐る恐る指で突いてみた。

すると、カエルはお腹を上にしたまま、地面に落ちた。しかも、そのお腹は何物かに食い破られ、臓物が溢れ出ていた。

「いっ!!」

おそらく肉食動物の餌食に、なったのだろう。

あまりの恐ろしさに、心臓が凍りつくようだった。

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