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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第11章 別れの日

デンブは、息を整える。

「死んだはずのガシと、トリセンナシの勇者が蘇ったんだ」

「なんですって!」光邦は、ここにきて最大の声量で驚いた。

トリセンナシの勇者は、死んでからすぐに焼かれた。肉体も残っていないはず。

デンブは、続ける。

「目撃者の話では、両勇者共に土から骨が飛び出し、空中で形を整えながら光を放ち、元に戻った後に落下し、全治一ヶ月だそうだ」

光邦は、「ああっ!」と声を上げ、思い出した。

それは、異世界にいった時……

(※以下リレー小説、ルイーダの酒場より引用)

何事かわからないが、光邦の真剣な様子に打たれたムトたちも、一緒になって祈った。

「ベホマ、ベホマラー、ベホマズン」
「キアリー、キアリク、ザオリク」
「うが、うがー、うがうが」

宇宙のどこかにいるはずの、光邦のスイートダーリンの体力が回復した。


そして、今に戻る。

「あの私、トリセンナシとガシの勇者さんのことが、凄く心残りだったのね。ひょっとしたら、戦わなくても救えたんじゃないかって凄く後悔してたのよ。その思いが強かったみたい。だから、別の世界の仲間達が、祈ってくれたのよ」

ただ、生き返る呪文「ザオリク」を最後に唱えていたため、生き返ったあと、別世界の呪文による効果によって、この星にいる者は浮いてしまうため、生き返ってから落下した。

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