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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第2章 サバイバル

だが、光邦の中で、緊張と恐怖の糸がほどけ、安堵の気持ちが湧き出して思わず涙した。

「よかったぁぁ……どこ行ってたよぉ」

『食料を探してきました』

「そうなの? てっきりあんたが猛獣かなにかに食われたのかと思ったわよ。こんな風に」と光邦は、死んだカエルを指差した。

『あ、キュージコージが……食われてますね。これ、かじられてもまだ数分は生きてるんですよ。だから、臓物引きずってても木に登ったり、交尾したりします。だから、死ぬ最後に子孫だけでも残そうと、気力を振り絞るんでしょうね。だけど、女性の場合は、卵を産む前に力尽きて死んでしまいます』

「ふ~ん、てか、メスを女性と表現するのね」

チョットと光邦は、元の野宿場所に移動した。

『あれ?』

戻ってくると、チョットは慌ててあたりを見回した。

「どうしたのよ?」

『集めてきた食料が……ありません』

「どうしてないの?」

『盗まれたのかもしれません』

「そんな、盗まれたって、あなた……」

光邦はそう言いかけて、口を閉じた。

茂みを越えた向こう側に、なにやらうごめく物を目にしたのだ。

「ねぇ、チョット。あれ、あそこになにかいるよね?」

『そりゃ、ジャングルですからなにかしらいます』

「そうじゃなくて、目の前5メートルほど先にいる、毛むくじゃらよ」

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