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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第2章 サバイバル

光邦の耳には、こう聞こえた。

『環境問題が懸念される今世、公益財団法人惑星自然保護協会が、放置された産業廃棄物を……』

光邦はイヤホンをはずした。

チョットが話しかける。

「♂≧〒ℵ∞♪」

光邦はすぐに、レンズをチョットに向けた。

「もう一回言って」

『アーナル様、昨日からずっと気になって思っていたことですが、なぜ常に二重音声に聞こえるのでしょう?』

「今さらかい! てか、今そんなこと話してる余裕ないでしょ! あの熊野郎、むっちゃ堅い話ふってきよったわよ!」

ちなみに、二重音声に聞こえるのは、口からでる言葉と、訳されて携帯から流れる声が同時に出るからである。

『なるほど』

「なにに返答してんのよ。で、どうすんのよ。私、あいつと会話しても勝てる気がしないわよ」

『会話出来るんですか? 大きな猛獣ですが、知能は爬虫類以下ですよ』

「あなた話聞いてないから言えるのよ!
あれが爬虫類以下なら、ここの爬虫類教授並みだわ 」

二人が言い合っていると、ハナチャンが喉を鳴らしながら、のっしのっしと近寄ってきた。

「いやだ、喉を鳴らしながらきたよぉーっ!」

『アーナル様、落ち着いて。私が交渉しますから……ハナチャンどうしたのーっ!』

「いや、幼稚園からの友達みたいによばないで!」と光邦は再び携帯のレンズを向けた。

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