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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第2章 サバイバル

20分後……、

「お前、なんらかの生け贄にだすぞコラ……」

目がさめてすぐの、光邦の第一声が素の男だった。

『しかし、結果アーナル様が追い払いましたよ』

「食われてたらどうするの」

『ちゃんと生産者さんに感謝して、ご馳走様ていいなさいと……』

「生産者さんてうちの両親のことか! お前、まあまあサイコパスなこと言うな!!」と声を荒げ、本気で顔面から蹴り上げた。

チョットは口から、緑色の血を吐いた。

『申し訳ございません、ブラックユーモアのつもりだったんですが……』

「ブラックは余計よ……てか、ユーモアそのものがいらないわよ」

怒りのあまり、チョットの血が緑色のことはどうでもよくなっていた。


残念ながら、チョットが集めてきた食料は、巨大ネズミ、ハナチャンに持って行かれたようだ。

空腹により、光邦のイライラが募る。そのイライラをぶつけるターゲットがチョットだ。

チョットは、また蹴られてはたまらないと、昨夜、カエルが登っていた木を確かめる。

『アーナル様が食べた木の実がありますよ』

「木の実? そう言えば昨日食べたわね」

『ですが、かなり手の届かないところにありますね』

「その辺りに落ちてないかしら?」と地面をくまなく探すが、一つも落ちていない。


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