
え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?
第2章 サバイバル
やがて木の皮が削れ、ツルンとした表面が見えてきた。
チョットは、穴を開けるようにして石をぶつける。
やがて、その傷からジワジワと樹脂が溢れてきた。
それは傷が深くなるにつれ、徐々に水滴を飛ばすようになってきた。
「え、凄い、なんかいっぱい溢れてきたわよ」
『もう少しです』とチョットは、強く石を当て続けた。
すると、砕かれた壁のように、木の表面に穴があき、そこから水が噴射した。
「えっ、水!? なにこれ」
『アーナル様、お飲み下さい』
チョットがその場を譲ると、光邦は浴びるように水を飲み始めた。
「んぐ、んぐ……いやだわ、本当に水よ。しかも甘みがあって美味しい!」
『これは、加水木(かすいもく)と言いまして、中が空洞になっていて、そこに水が貯まってる木なんです。だから、穴をあけたら、そこから水が溢れて出てきます』
「すごい助かる! いやん、チョットぉ~やるじゃない」
『ちなみについた傷は、すぐに塞がれます。だからこれ以上、木が傷む事はありません』
光邦は腹から音がするほど水を飲むと、チョットに交代。
チョットも満足げに水を飲む。
「今度、この木を見付けたら、私が穴をあけてあげる。だから、この石は持っていきましょう」
と言うと、チョットは、『いや、石はどこにでもあります』と石を投げ捨てた。
チョットは、穴を開けるようにして石をぶつける。
やがて、その傷からジワジワと樹脂が溢れてきた。
それは傷が深くなるにつれ、徐々に水滴を飛ばすようになってきた。
「え、凄い、なんかいっぱい溢れてきたわよ」
『もう少しです』とチョットは、強く石を当て続けた。
すると、砕かれた壁のように、木の表面に穴があき、そこから水が噴射した。
「えっ、水!? なにこれ」
『アーナル様、お飲み下さい』
チョットがその場を譲ると、光邦は浴びるように水を飲み始めた。
「んぐ、んぐ……いやだわ、本当に水よ。しかも甘みがあって美味しい!」
『これは、加水木(かすいもく)と言いまして、中が空洞になっていて、そこに水が貯まってる木なんです。だから、穴をあけたら、そこから水が溢れて出てきます』
「すごい助かる! いやん、チョットぉ~やるじゃない」
『ちなみについた傷は、すぐに塞がれます。だからこれ以上、木が傷む事はありません』
光邦は腹から音がするほど水を飲むと、チョットに交代。
チョットも満足げに水を飲む。
「今度、この木を見付けたら、私が穴をあけてあげる。だから、この石は持っていきましょう」
と言うと、チョットは、『いや、石はどこにでもあります』と石を投げ捨てた。
