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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第2章 サバイバル

いま、別人になってしまったら、チョットのことだ。

あなたは誰だと言って、自分を置いて、いるはずのないメイクをした顔のアーナル様を探しにいくに違いない。

「あなた、極限にお腹空かした私を見たことないでしょ。体力がなくなって、顔もこうなるのよ」

『あ、そういえばそうでしたね。大変、失礼いたしました』

そうなんだ……。


かれこれ3時間は歩いただろうか?

道中、再び見つけた加水木で水分補給。巨大な蛇や、カブトムシのような生物と遭遇しながら、大きな怪我もなく、ほぼ真っ直ぐ突き進んでいた。

チョットも疲れが溜まったようだ。

『食べられそうな物が見付かりません……あるはずなんですがね』

「もう、ウンコでも虫でも食べるわよ……なにか食べさせてよ」と光邦は、太い倒木をベンチ代わりにどっしりと座った。

『私もそうしたいです。風が通りませんから匂いも届きま……ん?』

言いかけた時、チョットの目が止まった。なにかを見つけたようだ。

木々の間から、1メートルほどの高さの、黒い山が見える。

チョットは、ゆっくりとその山に近付いた。

「なにか見付けたの?」と光邦。

チョットは急いで戻ってくる。

『おやつを見付けましたよ』

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