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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第3章 いざ王国へ……

「ぅわぁぁぁぁぁぁーーーっ!!!!」

『このように、板についた槍が獲物を貫いて串刺しといった罠等があります』

「あああーーーっ!!」

目の前で起こった光景と、もし失敗したらという想像が、恐怖を倍増させる。

『はい、そのまま横に転がって脱出』

「ふざけるんじゃないわよっ! 目の前でブオンて音がして瞬足の槍が通った風を感じたのよ!」

『それは貴重な体験を』

「あんた、知ってたならやらすな! 死んだらどうすんのよっ」

体についた枯れ葉や土を払いながら立ち上がり、チョットに詰め寄る。

『だから、伏せたら大丈夫なんですよ……と、いいますか、そこに……』

「大丈夫って、あんた、どれだけ恐ろしかったかああぁーーーあ、え、えっ!? うわぁぁぁあああわぁーーっ!!」

誤って別の罠を踏んでしまい、逆さ吊りになった光邦だった。

『アーナル様、私が止める前に罠にかからないで下さい』

「遅いわぁーー!」


右足首にダメージを受けた光邦と、顔が青たんとコブで腫れたチョットは、ゆっくりとジャングルを進む。

すると、チョットが立ち止まり耳に手を添えた。

「どうしたのよ」

『静かに……なにか聞こえませんか?』

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