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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第3章 いざ王国へ……

「私には、助けてって聞こえるわよ」

『なにかの言葉であることは、わかります。ですが、なんと言っているのかは、わかりません』

どういうことだろうか?

その答えは、声の主を見つけることで明らかになるだろう。

光邦は、耳を頼りに声のする方へ、向かう。

すると背後から、『カチャン』と聞くようであまり聞かない音が。

振り返ると、チョットが普通に立ち止まっているだけだ。

よく見ると、チョットの右足に太いワイヤーが括られている。

「……罠踏んだ?」

『そうみたいです』と、隣にある木の下を指差す。

見ると、罠があることを知らせる赤いプレートが落ちていた。

『プレートが落ちていることに気が付きませんでした』

猟師のミスが招いた不運。光邦は、軽くため息を吐くと、

「助けてあげたいけど、ちょっと待っててね。必ず助けてあげるから」とチョットを置いて先に進んだ。

薄情だが、この方がスムーズに探せると思った。

光邦は、慎重に赤いプレートのある場所を確認し、足を運ぶ。

「なんでこんなに罠仕掛けるのよ。ジビエの動物達がみたら、人間共マジかと思うわよ」

そして、とあるプレートに注意しながら下を見ると、ポッカリと大きな穴があいていた。

恐る恐る、その穴を覗きこんだ。

「あら!」

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