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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第3章 いざ王国へ……

「はあぁ、ちゃんと人が見える位置にプレートつけなさいよぉ」

光邦は、大の字に倒れた。

女性は、息を切らしながら、「ありがとうございます」と声を枯らせていった。


息が落ち着くと、女性は改めて深々と頭を下げた。

「助かりました。ありがとうございます!」

頭を上げると、パタパタと体についた土をはらう。

ウサギのキャラクターがプリントされた長袖のシャツに、膝までのデニムのスカート。その下には黒いレギンスが足を包む。

「いやいや、ケガはなかったの?」

「軽いかすり傷はありますが、たいしたことないです」

女性は、夕食で使う野草と木の実を探しているところ、赤いプレートに気がつかず、猟師の罠である落とし穴にはまってしまったという。

だが、光邦は気になることがあった。

「ねぇ、あなた日本語話せるの? てことは人間?」

「はい、自信はありませんが、人間です」

光邦は涙が出そうになった。

この惑星でチョット以外に出会った初めての住民が、人間だったことに嬉しさが溢れてきたのだ。

女性は、笑みを浮かべる。

「すいません、あなたおじさんですよね?
なぜ女性の話し方をされてるんですか? まさか、ボーイジョージ? 」

「誰がおじさんよっ、それにボーイジョージって、例えが独特すぎるわよ。簡単に言ったら私は大阪のオカマ」

「どこでご飯が炊けるんですか?」

「あなた、返しがチョットに似てるわね」

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