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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第3章 いざ王国へ……

二階に上がった光邦とチョットは、さっそく部屋にあるベッドに横たわった。

「はぁぁぁ、ベッド……今夜はベッドで寝れるのね」

そう言うと、寝転ぶのには邪魔だとイヤホンマイクをはずした。

「*∉⊿∽♤%」

チョットは、なにかを言っているようだ。

「本当に1時間で耳が馴染むのか、試して見るわ」

光邦は、携帯電話の電源を切って、小さなテーブルの上に置いた。

こうすればもう、なにを言ってるのか、まったくわからない。

それは、チョットも同じことだろう。

「いいわよ、このまま話してあなたも私の言葉に慣れなさい」

「#∑♀@&€?」

「そうよ、あの女性が言ってたことを試してるの」

一瞬、なんとなくだが聞き取れたような気がした。それが本当にそう言ったのかは、わからない。

「あ……」

光邦は、なにかを思いだしたのか、体を起こした。

そして、部屋を出てトイレに駆け込む。

扉をあければ、白い壁に囲まれて、目の前に丸い壺のような便器があった。なぜか便器の正面に鏡と洗面台がある。

光邦は、鏡を覗く。

「やだ、メイクがかなり落ちてるし、ヒゲも伸びててる。これじゃ、あの子にしてみたらおじさんよね……て、あの子いくつだろ?」

トイレの奥に、石を組んで、漆喰で埋めたような風呂釜があった。

「これ、お風呂ね。どうやって入るのよ」

よく見ると壁に太いパイプ管が飛びだしてあり、その先が栓で塞がれている。

光邦は、その栓を引っ張ってみた。

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