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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第3章 いざ王国へ……

「季節が関係ない虫なので、常に幼虫はいますし、サナギになったら業者が交換に来ます。エサは体内に蓄えられた栄養で育ちますから、餌もいりません」

「地球に持って帰りたい虫ね。それと、一つお願いがあるの」

そう言って、携帯電話にある写真を出し、ウラユに画面を見せる。

「ウラユちゃん、これを見てほしいのよ」

見せたのは、光邦が「アーナル壺菊」と名乗ってフルメイクで、ドラァグクイーンとして舞台に出ている時の姿だ。

「うわぁ、なんですかこれ、ドラクエのモンスターですか?」

「どう返していいかわからないわよ。これ、メイク時の私よ」

「どうしてわざわざ、こんなパーティーグッズみたいな姿になるんですか!? 髪も金髪だし、もっとマシな姿をすればいいのに……」

「あなた時々、点滴に醤油入れてくるわね。違うのよ。あの上にいるチョットに会った時、私、カツラとフルメイクだったのよね。でも、ジャングル歩いている間にメイクが落ちて……いま、ツケマだけなのよ」

「だから、日よけつけてるんですね」

「私の眼は店頭の入り口か。じゃないの、あいつ、今のこの私の顔が素顔なんて思ってないのよ。だからメイク道具あったら貸してほしいのよ」

「なら、最初から言ってくださいよぉ~、ありますよ」


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