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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第3章 いざ王国へ……

ウラユはナイフを置いて、部屋に戻ると、化粧道具を持って出てきた。

「これ、使って下さい。ルージュはあの写真ほどの濃さはありませんが、まあまあ血を塗ったような色になりますよ」と赤い小箱を手渡した。

「え、いいの? ルージュ、使うわよ」

「どうぞ、よかったら差し上げます。衛生面を考えて、私新しい物使いますから」

「私は汚いんかぁぁ~い……ごめんなさい、私上手くツッコめないわ。あなたの相方どんな人か知らないけれど、それにツッコミ入れるんでしょ。相当息が合ってなきゃできないわよ」

だが、これは天の助け。ウラユ様々だ。これでメイクが出来ると思えば、なんだっていい。

「でもありがとう、本当に助かったわ」

「いえいえ、料理が出来ましたらお呼びします」



光邦は二階に上がる。チョットは疲れたのか、ベッドの上で騒音を上げていた。

光邦は浴室に向かう。風呂釜には、半分以上のお湯がたまっていた。

「あ、お湯出しっぱなしだった。でも、これ虫が沸かしてるのね」

メイクを直す前に、入浴。一糸まとわぬ姿になり、お湯に浸かる。

「うわぁ、いいお湯じゃないのぉ~」

温かいお湯が撫でるように、全身を包む。

まさか、温かさを感じるなんて思ってもみなかったため、気持ちよさから頭まで潜ってしまう。

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