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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第3章 いざ王国へ……

「はぁ~浸みるわぁ~、温泉じゃなくても、お風呂ってこんな気持ちいいもんやったんやね」

住んでいるマンションの近くには銭湯はなく、普段はシャワーしか浴びないため、ゆっくりお湯に浸かることはしばらくなかった。

恍惚な表情を浮かべ、無の時間を楽しんでいると、『コンコン』とノックの音が。

「え、今入ってるわよ~」と言うと、

「失礼しま~す」とウラユが顔を覗かせる。

「ちょっとなに、私が入ってるんだけど」

「あ、いいんです。ここから喋ります。あの、トイレの使い方わかります?」

「トイレは、うん、輪っかみたいなのをはめて座ればいいのね」

「そうです。でも地球みたいに拭く紙が無いんです」

「えっ!?」

そういえば、確かにトイレットペーパーのようなものはなかった。

では、どうやって拭くのだろう?

「あのですね、この星の住民は、用をたして臀部を拭くといった習慣はないんですよ」

「えっ、ホント!? じゃ、どうするの?」

「面倒ですが、お風呂で水を出して、洗って下さい」

「それ、面倒くさいわねぇ……でも、私達とは違うからねぇ……て、体を拭くバスタオルはあるの?」

「無いです」

「えっ! どういうこと?」

「体を拭いたり乾かしたりする必要はないんですよ」





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