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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第3章 いざ王国へ……

ウラユの話では、お風呂に使われている水は、お湯にして浸かると、その成分によって、体の脂や古い角質層を分解し、汚れを落とす性質がある。

また、洗濯をする場合、洗剤と一緒に使うとしつこいカッターシャツの首元の汚れもすぐ落ちる。また、この水を使えば安い女ならすぐ落ちる(ウラユ談)

だから私もすぐ落ちる。芸人だけに。

「ちょっとぉ、間に小ネタ挟まないでくれる~、ちゃんと聞いてるのよ、私」

「ごめんなさい、すぐネタに入っちゃって、この水は、お湯にするとすぐに蒸発するんです」

「え、そうなの?」と風呂釜のお湯を見る。

入れたお湯の、4分の1はすでに減っていた。

「あら、ほんとだわ」

「だから、お風呂からでてちょっと体を動かせば、すぐに乾きます。肌にもいいので、汗でも弾くような若いビチョビチョな肌になります」

「そこはピチピチした肌でいいんじゃない?」

ちなみに、キッチンの水道からひいている水は、料理や飲料水としても使われる、ごく普通の水であり、お風呂で使われる水とは違う。飲めないことはないが、すぐに蒸発するため、水分補給にはならない。

地球で言えば、真水と海水の違いである。

「お風呂上がったら、下りてきてくださいね。ご飯できてまーす」

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