え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?
第3章 いざ王国へ……
ウラユは、アハハと手を叩いて笑う。
「冗談ですよぉ~、これはビバノンノと言う果実の皮を乾燥させて煮出したお茶ですよ」
「それホント!? いや、マジでそんな不気味な飲み物あり得ると思ったわよ。ねぇ、チョット」
「はい」とチョットはナプキンで顔を拭く。
ホッとして、そそいでもらったお茶を口にする。
落ち着いて飲むと、微かにだが渋みの甘みの奥に柑橘系の風味が見え隠れする。
「ビバノンノって、みかんとかオレンジみたいなものなの?」
「地球で言うと、メロンですね」
「風味のイメージが合致しないわね」
ふと窓を見ると、外はもう真っ暗。
小屋の周りはひらけているのか、一階からでも空が見える。
「満月ね。まさか、別の星から月を見るなんて……てか、地球じゃまだ宇宙へ飛ぶのに一人五千万はいるのよ。それをなんの訓練もなしに飛んじゃった私はすごいこと体験してるのね」
「ホント、そうですよね」というウラユの方が、異次元を移動出来るだけ、改めてすごいと光邦は思った。
和やかな空気が、小屋の中に流れていた。だがその時、そんな空気を切り裂く事態が起こりつつあった。
「!」
突然、血相を変えて、「外になにかいます」と、チョットが立ち上がった。
「あら、お客様かしら」とウラユ。
「いや、そんな状況じゃないと思うわ」
光邦もなんとなくだが、気配を感じていた。
「冗談ですよぉ~、これはビバノンノと言う果実の皮を乾燥させて煮出したお茶ですよ」
「それホント!? いや、マジでそんな不気味な飲み物あり得ると思ったわよ。ねぇ、チョット」
「はい」とチョットはナプキンで顔を拭く。
ホッとして、そそいでもらったお茶を口にする。
落ち着いて飲むと、微かにだが渋みの甘みの奥に柑橘系の風味が見え隠れする。
「ビバノンノって、みかんとかオレンジみたいなものなの?」
「地球で言うと、メロンですね」
「風味のイメージが合致しないわね」
ふと窓を見ると、外はもう真っ暗。
小屋の周りはひらけているのか、一階からでも空が見える。
「満月ね。まさか、別の星から月を見るなんて……てか、地球じゃまだ宇宙へ飛ぶのに一人五千万はいるのよ。それをなんの訓練もなしに飛んじゃった私はすごいこと体験してるのね」
「ホント、そうですよね」というウラユの方が、異次元を移動出来るだけ、改めてすごいと光邦は思った。
和やかな空気が、小屋の中に流れていた。だがその時、そんな空気を切り裂く事態が起こりつつあった。
「!」
突然、血相を変えて、「外になにかいます」と、チョットが立ち上がった。
「あら、お客様かしら」とウラユ。
「いや、そんな状況じゃないと思うわ」
光邦もなんとなくだが、気配を感じていた。