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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第3章 いざ王国へ……

「なに?」

兵士Bは、改めて光邦の顔を見る。

「……うおっ!」

思わず声を上げ、後退りする。

「ア、アーナルではないか……もう、ターキー国は動き出したか」

それを聞いて、兵士Aが前に出る。

「こやつがアーナルだと!? なにかの間違いじゃないのか?」

「ハッキリした間違いは一つある。俺は兵士Dなのに、兵士Eと呼ばれて」

「どうだっていい! ちなみに、言っておくが、俺は兵士Bだ。相手が悪い、一旦出直すぞ」

兵士のプライドを捨てて、実名があるのにも関わらずあえて自分をBと名乗ることで、負けを認めたことを表した。

「ここは、引き下がる。チョットよ、命びろいしたな」

そう言い残すと、逃げるように去っていった。

ウラユはホッとして、床に座り込んだ。

光邦は急いでチョットの元に寄る。

「喉元大丈夫? 酷いことするわね」

「負けるわけにはいきませんから。それに、アーナル様がいるだけで心強く、安心できました」

「かわいそうに……どうして、チョットが狙われなきゃならないのよ」

「大丈夫です。こんなの鼻くそつければ治ります」

「うん、普通は唾だけどね」

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