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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第3章 いざ王国へ……

小屋に戻り、ベッドの上に横たわるチョット。

首には包帯が巻いてある。ウラユが、手当てしてくれたものだ。

ウラユは俯いて、体を小刻みにふるわせていた。

「ごめんねウラユちゃん、関係ないのに怖いおもいさせて……」と光邦が、心配そうに顔を覗き込む。




笑いをこらえていた。

「ちょ、ウラユちゃん、なんで笑ってんの!?」

「わかりません」

「わからんのかい。て、いうか、怖くなかったの?」

「だってさぁ、こっちから聞いてたら、向こうはこの星の言葉言ってんのに、光邦さんは、日本語で答えてるんだからさぁ、面白くて面白くて」

光邦は、ハッとした。

「そうよ、私、会話出来るのよビックリした」

「え、じゃあ、あの兵士達、日本語わかるのかな?」

「私は、向こうも日本語に聞こえた。チョットもちゃんと話してるし」

どういうこと?

光邦は耳を押さえて、考えてみる。いつから聞こえたのだろう?

いつから話せるようになったのだろう?

ウラユが言ってたように、耳が慣れるのだろうか?

「私が説明しましょう」とチョットが体を起こした。

「あらやだ、大丈夫?」

「たぶん、アーナル様の耳には地球の日本語に聞こえてきてると思います」

「そうね。日本語よね」

「私は、日本語を話してますから」

光邦とウラユは、声を揃えて、「えっ」と言った。

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