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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第3章 いざ王国へ……

ウラユが池を見て言った。

「そんなの、出るわけないじゃないですかぁ~」

「いや、シチュエーション!! ほんまに出るかもしれない空気の流れを止めないでっ!! せめて三つ首竜じゃなくともなんか出せっ!」

右手人差し指を、下から突き上げるようにしてウラユにツッコむ(変な意味じゃ無いですよ)

すると、なにやら池の中央から、ポコポコと泡のようなものが、はじけているのが見えた。

「え、なにあれ?」とウラユがまた池を指差す。

「なによ、ガスかなんか噴き出てんじゃないの?」

やがて雲行きが怪しくなり、グレーの雲が固まると、ゴロゴロと音が鳴り始めた。

二人は、池から少し下がる。

そして、一筋の雷が強い光を放ち、ピシャッと音をたて、池の中央に落ちた。

池は栓を抜いた湯船のごとく、丸く円を描き渦をつくる。

中からゆっくりと、なにかが浮いてくる。

固唾を飲み、その光景を黙って見ている光邦とウラユ。


中から出てきたのは、全裸で小太りの、ハゲた中年男性だ。

『この池に、お主が落としたのは、この銀のツッコミか、それともこの金のツッコミか、または、このつまらないツッコミか』

「……」

「……」

『……』






いよいよ旅立ちの時。

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