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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第1章 ちょっと、待って!

『それはいいことを学ばれました。ところで、ニュートンとはなんでしょう?』

「あんたが学びなさいよ!! てか、いまどうなってるのよ。なにが起こってるのよ!? 夢? 夢なの? 」

『どうなさったんですかアーナル様、いつもと違ってえらく取り乱してるではありませんか』

光邦は音が鳴るくらいに、人差し指を突き付けた。

「取り乱してるのは、あんたのせいでしょっ! なに、私をどうする気なのよ。あなた何者よ、言いなさいよっ」

強気で言ってはいるが、恐怖で全身が小刻みに震えていた。

『なにを言うんですか。アーナル様は三日間ほど旅に出ると、そうおっしゃってから、すでに一週間が経とうとしているのですよ。私はアーナル様を探し続けて、ようやく見つけたと言うのに……』

「どれだけ探したのよ……」

『一日と二日』

「それ、三日よね。てか、私はあなたのことはしらない。それに、あんたが言う人は私じゃない」

それを聞いて、謎の男は、カクンと頭を垂れる。

『ひょっとして……旅に出かけている間に、アーナル様は記憶を失ってしまったのでは……』

「いや、さっきからアーナル様って、そこだけは一致してるのよ。なによ、なに言ってるの、私まだ理解出来ないんですが」

『アーナル様、思い出して下さいっ、私はあなた様にお仕えする者です。チョットと申します。わかりませんか?』

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