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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第4章 ターキー国

急にチョットの歩く速度が遅くなる。

「どうしたのよ、早く行きましょうよ」

「……いや、なんか乳首が疼きます」

「胸がドキドキと言いなさいよ。それ、恐怖を感じてるドキドキでしょ」

「頭と腹と尻が痛くなりました」

「そこまでいったら先に病院でしょ」

「アーナル様は怖くないんですか?」

「あんたに連れ去られてからずっと怖いわよ。あんたに慣れて一緒にいるからまだマシだけど、ここに来たこと自体が怖いのよ。てか、そろそろ話しなさい、なぜ私をここに連れてきたのか」

チョットは俯きながら、ほぼ右に90度向きをかえて歩いた。

「ねえ、あそこに行くんでしょ。あんた、どこ行くのよ」

チョットはそのまま、一軒の民家に入ると、しばらくしてなにやら筒状の容器を二つ持って出てきた。

「あそこはお店です。ドリンクを買ってきました。飲みながら行きましょう」

「あ、そうなの……」

光邦はそれを一つ受け取る。アルミのような質の筒状カップで、中には白い液体に、黒いツブツブが混ざっている。

「なにこれ?」

「ブンゴエバのジュースです」

「わからないわよ」

一口飲んでみる。やや、フルーティーな酸味はあるが、飲めないことはない。

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