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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第4章 ターキー国

意識を奇跡的に取り戻した光邦は、フラフラと国王の元へ、歩いていく。

「あのさぁ、チョット」

「なんでしょう」

「私、気を失ってたのね」

「そうです。だから、私が起こしたんです」

「どうやって?」

「こうやりました」

チョットは突然、腰を振り出した。

「ズズビズビズバッはいっはいっ……」

「ちょい止まりましょうか、チョットさん」

「はい」

「あるある探検隊は、気を失った者を起こす効果はないです」

「いや、あの地球の日本にあった動画を見たら、それが出てきまして」

「あれは、真似したらアカン。あれは、漫才といって、お笑いの芸なのよ。ネタなのよ。だから、あれで気絶したものは起きないわよ」

「アーナル様、起きましたよ」

「私、それで起きたんかい!」

そんな会話を交わしていたら、いつの間にか人だかりができ、拍手喝采で地面に置いたアルミの筒に、なぜか小銭が入れられていた。

「あら……ウケたのね」

「せっかくですので、貰っていきましょう」



国王邸前。

チョットの顔が強張る。

光邦は、なるようになれと胸に手を置く。

自然石を積んだような塀が、四角いシルバーの建物の周りを囲む。

高級感とは言い難い安っぽい門から、なかなか一歩が動かない。

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