テキストサイズ

え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第4章 ターキー国

「アーナル様、安心してください。本当にあみだくじで決まりました。どんな国王が出てくるのか楽しみになりました」

「いや、おかしいでしょ! なんで、楽しみになるくらいに知らないのよ。あんた恐れてたんでしょ」

「さあ、行きましょう。怖いけどワクワクしてきました」

「最新のジェットコースターに乗るカップルみたいなこと言わないで」

門を開け、数メートル先の玄関まで歩いていく。

「なんか、イメージが無いわね。国王っていうから、本当にお城を想像してたんだけど、こんなお屋敷なのね」

「それは、童話のイメージでもあるかと思います」

話しているうちに玄関についた。

チョットは、玄関のドアノッカーを使って叩く。

すぐに、ドアが開いた。中から出て来たのは、なんとも顔色の悪いジャージ姿の女性だった。

『みº』

「チョット、話がある」と光邦は腕を引いて五歩ばかり下がった。

「アーナル様、どうしたんですか?」

「いや、あれなに?」

「お屋敷のメイドでございます」

「まさかとは思っていたけど、出やがったな」

「何の話でしょう?」

「いいわ、行きましょう」

チョットは、そのメイドに、「国王は御在宅でしょうか。副大臣のチョットです」

『まº』

メイドはそう答えて、大きく扉を開けた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ