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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第4章 ターキー国

中に入ると、床一面群青色のカーペットが敷かれ、中央に大理石ではなく、御影石の階段が螺旋状に伸びている。

両側の壁には、玄関以上に豪華な扉がいくつもある。

二人は階段まで足を運ぶ。

光邦は目を丸くする。

「あらまぁ、お金持ちのお屋敷って感じね。階段は、墓石に使うような石ね」と階段の質を足で確かめながら二階へ進む。

「この星の山で採掘される石です。たぶん、あの階段だけで3恒河沙はいくでしょう」

「ごうがしゃ!? そんな単位、聞いたことないわ」

「お金で単位の違いから言いますと、地球の日本の十円だと、ここでは一万円くらいに値します。ちなみに、3恒河沙は、⇩」

30,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000

「だったら、金持ち過ぎるわ! てか、それでも安っぽい言い方に聞こえる!」

「月に三千円のローンで支払ってるようです」

「一生かかっても無理やわ……いや、あんた達ならいけるかもしれない」

階段を上がりきった奥の部屋に、現地の文字でなにか書いてある。

「あちらが、国王の部屋です。どんな人でしょう、楽しみですね」

「いや、おかしいでしょ。あんた、よく知ってるというか、世話になってんでしょ」

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