
この夏、君に溺れた
第5章 デートシーン
葉山君が私の腕を掴んだ。
「先生とは、うまくいかないと思う。」
「……どうして?」
答え難そうな表情を浮かべる葉山君は、ぎゅっと私の腕を強く握った。
「誰にも言えない恋なんて、幸せなわけないよ。」
幸せな恋。
それが何かを知るには、あまりにも私は経験が少ない。
「そろそろ行こう。兄貴達、待ってるよ。」
「うん。」
もういなくなってしまった人を追いかけても、仕方がない。
今はこの腕を強く掴んでくれている葉山君を頼るしかない。
私は葉山君と一緒に、お兄さん達が待つ車へと向かった。
時間にして約10分くらい。
でもその10分が、やけに長くて。
果てしない道を一歩、また一歩、重い鎖をつけて歩いているような感覚に襲われた。
「やっと来た。」
私と葉山君の存在に、一番に気づいてくれたのは、お兄さんの彼女だった。
「はじめまして。宜しくね、芽依ちゃん。」
「先生とは、うまくいかないと思う。」
「……どうして?」
答え難そうな表情を浮かべる葉山君は、ぎゅっと私の腕を強く握った。
「誰にも言えない恋なんて、幸せなわけないよ。」
幸せな恋。
それが何かを知るには、あまりにも私は経験が少ない。
「そろそろ行こう。兄貴達、待ってるよ。」
「うん。」
もういなくなってしまった人を追いかけても、仕方がない。
今はこの腕を強く掴んでくれている葉山君を頼るしかない。
私は葉山君と一緒に、お兄さん達が待つ車へと向かった。
時間にして約10分くらい。
でもその10分が、やけに長くて。
果てしない道を一歩、また一歩、重い鎖をつけて歩いているような感覚に襲われた。
「やっと来た。」
私と葉山君の存在に、一番に気づいてくれたのは、お兄さんの彼女だった。
「はじめまして。宜しくね、芽依ちゃん。」
