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この夏、君に溺れた

第6章 夢の終わり

他の一ヶ月は、美羽ちゃんと同じく勉強漬けの毎日だったったはずなのに。

「そこそこ楽しかったかも。」

「そりゃあそうですよね〜」

急に美羽ちゃんが、私の顔を覗き込んだ。

「芽依はちゃっかり恋愛も楽しんでたもんね。」

「恋愛か……」

私は朝から深いため息をついた。


「何なに?もしかして、一夏の淡い恋だったの?」

「縁起でもない事、言わないで。」

「あっ、じゃあまだ終わってないんだ。」

「美羽ちゃ〜ん。」

軽く睨むと、美羽ちゃんはばつが悪そうに、私から離れて言った。


「なんか羨ましい。」

「えっ?」

「芽依。その人の事、相当好きなんだね。」


美羽ちゃんの言葉に、息が止まった。


「好き……」

「なんか話聞いてると、うまくいってるんだかわかんない。でも芽依はそんな状況でも、別れたくないんでしょ?」

その質問に、答えられない。


夏休みだけだと思ってた。

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