双龍の嫁
第2章 風龍
膝立ちに自らを打ち付ける夫が、跳ねそうになるわたしの腰を同時に引き寄せ、激しい摩擦に、わたしはあられもなく切羽詰まった声を上げていました。
「はっあ…!! あ、ああぁっ!! ぁん、ッくぅっ!」
ひっきりなしに快楽にうち震えているわたしの肉の動きは止まず、それどころか今度は容赦なく揉まれて潰される陰核への刺激にも、狂う荒波はおさまりません。
荒い息遣いは時折色味を帯び、夫も同じに猛っているのだと分かります。
深い交接は、わたしに夫となにか一対の生き物にでもなったような錯覚を生み出しました。
乱れて広がる髪に頭をのせて、首を振り続けるしかないわたしの顔には、涙やどちらのものともつかない汗にまみれています。
このまま直接注いでやるぞ……
そんなわたしの耳もとに付けた口から、濡れた言の葉が注がれました。
わたしはそれを嬉しがったのかもしれません。
しどけなく開いていた脚を、夢中で夫の腰に巻き付けました。
絡みつき、めり込んで分かち、叩いてはぬめり、抜き差しを繰り返す水の音が早くなり、わたしの内が一層強大な龍の根に満たされました。
…ぶちゅ、ぶちゅっ! グチュッ。 ぶちゅ…ぶちゅっ。
そんな音に耳を塞ぎたくなりながらも、もうわたしにはそれしか聞こえません。
グチュグチュッ、ずぷッズプっズッグチュッ…
「…っ!! ァあアッ────────…」
夫がわたしにおおいかぶさり、深深と打ち込まれたそれからとうとう熱い体液がほとばしり、わたしの子宮へと直に流し込まれます。
恍惚に満ちた嬌声とともに、わたしは深みに堕ちていくような、空に登っていくような、不思議な感覚で目を薄く開いていました。
長い射精が終わりすべて出し切ったあと、夫の性器がずるりと子宮口から抜かれたのが分かりました。
名前を呼ばれた気がしてそこに視線を集めると、花弁のような夫の唇が、小さく動いていました。
「……だが沙耶。 平等に愛してやろう」
彼の声は途切れ途切れにしか耳に届きません。
あらたな精気でいっぱいに満たされた胎内に、わたしはめくるめく歓びを覚え、ふたたび涙が頬をつたい、目を閉じました。
『私たちの愛しい花嫁────────……』
そんな夫のささやきとともに。