双龍の嫁
第1章 水龍
「止めて。 止めさせて……下さい」
顔を紅潮させて体をまるで魚のようにくねらせるわたしを、夫はじっと見ています。
「私の一部だと言っただろう? それの先端の口で奥を吸ってやると堪らないそうだね」
「そんっな…事」
わたしのお腹の内側に添わせたそれが立て続けに粘膜を叩きながら未だに触られたことの無い奥を撫でてきました。
ぞわりと鳥肌が立ち、伸ばされてきた夫の手に夢中でしがみつきました。
「私のものではこんな風に出来ないからな。 沙耶の股からも滴っている。 可愛らしい膣口がこんなにめくれてる。 苦しいかい?」
「あっ、あっ、抜いて。 苦しい。 お願いです」
夫はもはや入り口からはみ出るまでに膨らんでいるそれを指で摘みました。
すぼまりまた拡張しながら、ズルズルと抜かれている間もわたしの両脚は震えます。
やっとほんの少し圧迫感が緩くなり、息をほっとつきかけました。
それなのに夫は直前で指を開き、するとそれは再び猛進しながらわたしの奥底にぶつけてきました。
小さく悲鳴を上げて体を反らすわたしに夫は言います。
「沙耶の中に居たいそうだ。 私もお前の内をこんなに味わえて嬉しく思う」
そして彼は自身の猛りを手で扱きはじめました。
片方の指は再びそれを引き出して離す、そんな風に絶え間ない、あの時のような抽挿をしながら。
時折夫は抜かずにそのままにします。
すると腟内のそれは体積を変え動きを変え、嬉しがっている、そんな風に感じました。
そのうちにわたしは本当にこれが夫の一部なのだと認識し始めました。
気持ちよさげに目を細めた夫と私は見詰め合います。
自らを擦って時折喉を鳴らすタイミングで、胎内を刻むその動きにわたしも大きく喘ぎます。
今や狂ったように膣内を乱舞している一方で、わたしの子宮口をぬるぬるとやさしくやさしく舐めてくるそれに耐え切れず、生まれて初めての絶頂を迎えました。
おなじように、夫も一瞬ぶるっと体を震わせたかと思うと二度目の精を放ちます。
夫の腕の中で何度も痙攣を繰り返すわたしの肩や背中を、彼はずっと指先で傷を癒すかのようにさすり続けていました。