テキストサイズ

騎士様は私のボディーガード

第8章 騎士様、行かないで!

「はあっ……」



私は会社の事務所で深いため息を吐いた。



「あらぁ~どうしたのぉ? そんなため息なんかついて、とうとう彼に振られたのぉ?」



相変わらず広瀬さんはチクチク嫌みを言ってくる。



「違いますから」



私は手鏡を持って化粧直しをしている広瀬さんを横目で見た。



手鏡を見て、あの時のことを思い出す。



シリウスと行った鏡張りのラブホテルの部屋で、謎の声が聞こえたこと。

あと思い返したら、入浴中に誰かの気配を感じたこと。



なんだか怖くなっちゃって、あれからすぐにホテルを出たんだよね……。


で、その後、私が生理になっちゃってエッチはお預けになった。



謎の声と気配のことは気のせいかもしれないから、シリウスにはまだ話してないんだけど……。



そういえば鏡の迷路に入った時に、俊輔さんが鏡の中に引きこまれたんだよね。


もし、自分もそうなってたら……と考えたら震えが止まらなかった。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ