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騎士様は私のボディーガード

第8章 騎士様、行かないで!

「ミオ……泣いてるのか?」



シリウスが悲しい表情をして私を見下ろしている。



「あれ……どうして涙が……」



気づいたら、私は泣いていた。

涙は止めどなく溢れて、シリウスの表情が見えなくなるほど視界が歪んでいた。



「ごめんなさい、シリウス……」

「……ミオ、一度落ち着こう」



シリウスは私から離れると、はだけた衣服を直してくれた。

私の隣に座り、肩を優しく抱いてくれる。



「………」



しばらく重い沈黙が流れた。
口を開けば、もう後戻りはできないから。



できればこのまま、シリウスとずっと繋がっていたかった。



沢山愛しあって、明日からもずっと幸せに過ごしていきたかった。




だめなの?




もう、無理なの?




もう、愛しあえないの……?








「……ミオ、話がある」



そう言いながらシリウスは私の手を握った。



何かを決心したような瞳に、胸が張り裂けそうになる。



「俺はもう……元の世界に帰らなければいけないんだ」







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