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騎士様は私のボディーガード

第9章 騎士様、愛してます♡

私はアパートの部屋を出て、会社に向かった。
シリウスがいなくなったって、世界が変わるわけじゃない。いつもと変わらず出勤して、広瀬さんに嫌みを言われながら仕事して、残業してから家に帰る。



伊藤さんに「送ってくよ」と言われたけど断った。
今はシリウスのことだけ考えていたいから。
私の記憶と身体に残る、シリウスがいた証で心を満たしたかった。



「あれ……?」



夜遅くアパートに帰ってくると、私の部屋の前に俊輔さんが立っていた。



「あ、お帰り、美桜さん」

「俊輔さん、どうしたんですか? こんな時間に」

「あの、これ……一緒に食べませんか?」

「え?」



俊輔さんはタッパーの中に入った肉じゃがを手渡してくれた。
まだ少し温かい。



「一緒に、ですか?」

「はい。さっき婆ちゃんちで作ったんです」

「そうなんですか、ありがとうございます。あ、でもシリウスは居ないですよ」

「はい、知ってます。元の世界に帰ったんですよね」

「!」



シリウスが元の世界に帰ったのは私しか知らないのに、どうして知って……。



「あの、俺……美桜さんと一緒にご飯食べてくれってシリウスさんに頼まれたんです」



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