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騎士様は私のボディーガード

第10章 騎士様、助けてください!

「楠ちゃ~ん、こっちもビール頼むわ~」

「あ、は~いっ」



会社の忘年会が始まるなり、私はビール甁を持たされ、職人さんたちに順番にお酌するよう頼まれた。



広瀬さん曰く、それが新人の役目らしい。
といっても新人は私しかいないから、私一人でお酌をする羽目になり……。



「楠ちゃん、こっちもビール追加ね!」

「あっ、ちょっと待ってくださいっ」



職人さんたちはお酒好きな人が多く、ビールがすぐなくなる。
私は店員さんにビールの追加注文をしたり、お酌して回ったり、食器を片付けたりして全然ゆっくり座れなかった。



「ふう……」



とりあえず一息ついて、烏龍茶を飲む。
周りを見るとみんなすでに出来上がっていて、広瀬さんも真っ赤な顔して社長の隣ではしゃいでいた。



「美桜ちゃん、お疲れ。まだ料理食べてないでしょ? はい、美桜ちゃんの分」



私の隣に伊藤さんが座る。



「ありがとうございます、いただきます」



お腹が空いていた私は、伊藤さんが持ってきてくれた料理を遠慮なく頂いた。




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