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騎士様は私のボディーガード

第10章 騎士様、助けてください!

「おい、ふざけんなよっ……こんな気持ち悪い所いられるかよっ!」



そう言うと伊藤さんは慌てて部屋から出て行った。その後、玄関の鍵が勝手に閉まる。



「……シリウスっ……」




私は起き上がって、すぐそばにいるであろうシリウスに声をかけた。



「……ごめんなさい、私っ……」



その時耳元で『ミオ……』とシリウスの声が聴こえたような気がした。
私の両手首を縛っている布がハラリと落ちる。



「シリウスっ……」



身体が温かいものに包まれた感じがした。
シリウスは今、私を強く抱きしめている。



『ミオ、大丈夫か? 奴にどこを触られた? 俺が上書きしてやる』



シリウスは私を横抱きにすると、ベッドにそっと寝かせてくれた。
青い瞳で見つめ、優しくキスをする。



「……んっ……」



吐息が漏れると、唇の隙間から熱い舌を差し込まれた。シリウスの深いキスにとろけてしまいそうになる。



『ミオ……愛してる』



シリウスの甘い囁きに、私の心が満たされていく。



『ミオ……俺はずっとここにいるから、安心して休め。ずっとそばにいてやるから──』

「うん……シリウス、大好きっ……」



薄れいく意識の中、私はシリウスに抱きしめられながら眠りにおちた。




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