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騎士様は私のボディーガード

第12章 騎士様、再会ですか?

「シリウス、もうそのくらいで。あとは弁護士に任せましょう」



まだ殴り足りなさそうなシリウスの肩に手を置くと、朝比奈さんは帰るように促した。
すると広瀬さんがカツカツと社長に歩み寄った。



「……社長」

「……」

「本当のこと言うと、私あなたのことが好きでした。あなたに抱かれた時は嬉しくて、どんなにひどい命令でも耐えることができた。でもあなたはどんなに体を重ねても、最後まで私を愛してくれませんでしたよね……」

「……」

「私はもう、あなたの呪縛から逃れます。さようなら、社長」



広瀬さんはそう言うと、私たちの元に戻ってきた。



「広瀬さん……」

「さ、行くわよ」



広瀬さんは清々しい顔をしていた。
自分の想いを伝えてスッキリしたみたいだ。



まさか広瀬さんが社長のことを好きだったなんて……
でもだから酷いことにも耐えることができたんだって思ったら、胸が張り裂けそうになった。



好きな人に抱かれながらも愛してもらえないなんて、なんて残酷なんだろう……



「行くぞ、ミオ」



いつの間にかシリウスが隣に立っていた。
そして私の手を繋いでくれる。



「シリウス……」



ああ、私はこの優しい瞳に守られているんだと思ったら、涙が出そうになった。




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