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騎士様は私のボディーガード

第12章 騎士様、再会ですか?

「おい、顔をあげろ、クズ野郎」



シリウスは放心状態でいる社長の胸ぐらを掴んだ。



「くっ……離せっ……なぜ私がこんな目にっ……」

「あ? まだそんなこと言ってんのか、貴様は……!」



シリウスは鋭い眼光で社長を睨みつける。



「人の上に立つのに、武力や権力だけでは人を動かすことはできねえんだよっ! ましてや部下を奴隷扱いするなど、言語道断……それに気づかない貴様は人の上に立つ資格はないっ!」



社長の頬にシリウスの鉄拳がめり込んだ。



「あいつらの痛み、思い知りやがれっ……!!」


「……っ」



社長は吹っ飛んで、床に転がる。
しかし今度は誰も社長を庇う人はいなかった。



「この人の言う通りだ……。今まで多少のことには目をつぶってきたけど、まさかここまでひどいとは……。社長さん、俺たちはもうあんたについていけねえ」



年老いた職人さんたちはそう言うと、事務所から出て行った。逆に若い職人さんたちは「俺たち、どうなるんだ?」と不安な表情を浮かべていた。



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